オンド・マルトノ

☆NHK交響楽団 4月定期公演(Cプログラム)
  メシアン/トゥランガリ交響曲
   指揮 :準・メルクル 
   ピアノ:ピエール・ロラン・エマール 
   オンド・マルトノ :原田節
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「第9」以来、N響を聴きに行くのは4ヶ月ぶりです。
本日は「トゥランガリ交響曲」のみのプログラム。
10の楽章からなる、約80分間もの大曲ですが
今年がメシアン生誕100周年ということもあってか、「N響体育館」(またの名をNHKホール)客席は、9割方の入り。

演奏も熱の入ったすばらしいもので、あっというまの80分間。
準・メルクルは、オケのポテンシャルをうまく引き出してコントロールしてましたね。
特に、第5楽章「星の血の喜び」、第10章の「終曲」は、
音のうねりが、噴水のように吹き上げてキラキラ飛散するようで引き込まれました。
それだけに、余韻を断ち切るような拍手・ブラボーは勘弁してほしかったです。

ところで、この「トゥランガリラ」、オンド・マルトノを用いた数少ない曲としても有名です。
今日のお目当ては、オンド・マルトノを見る(聴く)ことで、
終演後、1F席に降りて至近距離でこの楽器を観察することができました!
プログラムにこの楽器がわかりやすく紹介されているので、引用します。

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20世紀初頭にフランスのモリス・マルトノによって発明された電子楽器。
「オンド(ondes)」はフランス語で「電波」という意味で、発明者の名前と組み合わせて
オンド・マルトノ」と名付けられました。
音の出る原理は、アンテナを張った空間に手をかざして音程を変える「テルミン」と同じで、外観は電子オルガンのようですが、鍵盤だけでなくその手前に張られた糸(リボンと呼ぶ)を操作することで、ヴィブラートやポルタメントなど、多彩な表現ができるのがこの楽器の特長です。
この前世紀の電子楽器が今日まで生き残ったのには、2つ理由があります。
1つは、人間の手の微妙な操作によってニュアンスを変えられること。
もう1つは、弦を張ったり、銅鑼を吊るしたりした専用のスピーカーを設置することによって、
電気的な処理だけでは出すことのできない音色を得られることがあげられます。
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写真のネギボウズのようなものは、オシレーターといって、音そのものの源となる
空気振動の波形をつくる装置だそうです。
オシレーターの弦に電気信号を送ることで、アコースティックな波状の音を出すのだとか。
ちょっとエレキギターに似てますね。

じゃ、どんな音かというと・・・ヒジョーに表現しづらいんです(私の文章力では)。
ヒトダマが飛ぶような音(高さの違う音を滑らかにつなぐポルタメントという奏法)もあるけど、
もっとアコースティックな、電子楽器にしては温かくやわらかい、波状の音。
音の高さの調節が自在なのか、ピッコロの高音部から弦楽器の低音部まで親和性が高く、
最初はマルトノを弾いてることに気づかなかったくらい、オケに溶け込んでました。
マルトノが入ることで、オケの響きが波状にゆらめき、不思議な空気感が醸し出されてました。

あ、私の駄文読むより原田節さんのサイトの方がいいか!
なかなか面白いサイトなので、ご興味のある方は聴いてみてください。

オンド・マルトノ奏者 ハラダタカシのページ(視聴コーナーあり)
http://mirabeau.cool.ne.jp/onde/