雪の相聞歌

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長らくごぶさたしてました。
毎年2月は、私にとっては「底」というか、頭を抑えこまれたように何事も停滞してしまう季節です。
今年は特にヘビーな気分なのは、暮れに金沢の石浦神社にお参りしてこなかったせいかも・・・。
繁忙期の山を越えたら、お祓いしてもらいに行こうかな~。
 
とはいえ、2月はお花屋さんの店頭が華やかになり始める時季でもあります。
先日のバレンタインデーも、こんなステキなディスプレイが
やまねこ、ホワイトデーには お花がほしいです。義理ーズは団子の方がいいけど(笑)
 
今年のプレ・バレンタイン三連休&当日は大雪だったので、当ブログの毎月恒例「一言メッセージ・今月の歌」は必然的に北原白秋の「君かへす朝の舗石さくさくと 雪よ林檎の香のごとく降れ」に決定。
「桐の花」所収のこの歌は、読んでのとおり、逢瀬の翌朝 帰っていく恋人を見送った「後朝の歌」で、人妻・松下トシ子との恋愛をテーマにしたものですが、その結果、二人は姦通罪で投獄されてしまいます。
この歌の背景を知った当初、社会的制裁の強かった当時の人妻がよく朝帰りできたな~と私は感心したのですが、先日の大雪でちょっと考えが変わりました。
もしかしたら、予期せぬ大雪で彼女は帰れなくなってしまったのかもしれない。もし、そうだとしたら・・・二人は「もうお終いだ」と思うと同時に、開き直るというか刹那的になったかもしれませんね。雪の朝の別れは、お互いに言葉では尽くせない思いがあったことでしょう。誰も踏み込んでいない未明の白雪に足跡を残して去っていく恋人の後姿を、二人の最後の別れの朝を、詩人は雪と林檎の香りで包まずにはいられなかった・・・というのが、やまねこの新解釈(妄想)でございます。
 
面白いのは、この歌が伝統的な「後朝の歌」のパターンを踏襲しながらも、万葉集の相聞歌では女性が帰っていく男の足元を心配する定型スタイルを、男女逆に詠んでいることです。
(参考:「はなはだも 夜更けてな行き 道の辺の 斎小竹の上に 霜の降る夜を」万葉集2336
さらに「さくさく」というオマノトペが「雪」の冷たさと清浄さ、「林檎」の新鮮な香りを、同時に体感させる効果を生んでいます。これも一種の掛詞?
わずか31文字のことばに籠められたメッセージやイメージを読み取るには、読み手もことばに対して自覚的にならなきゃいけない、と思っています。能だって同じだよね。ちゃんと正しく解釈できているかは別として・・・。
 
 
オマケ
 
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「花も団子もウェルカム♪」なやまねこ、自分用にはヴィタメールの「ラヴィアン・ローズ」を確保。
高島屋限定の「薔薇」をテーマにした、ヴァレンタイン2011年ヴァージョンです。
わ~い、今年も買っちゃった!!
店頭で見てた限りでは、自分用に買っていく女性が多かったみたいです。
そりゃそうでしょう、ウチの太郎冠者とかワタシの次郎冠者(仮名)なんか、いつもバクバクッと食べて
お仕舞♪だもの。モッタイナイわ!と思うんだろうな~。
(ちなみに まだ食べてません。。。)