三菱一号館でランチ

イメージ 1
 
 某会合のために上京してきた父とランチデート(?)。
お宿(山の上ホテル)から東京駅への動線上、丸の内エリアがいいということになり、以前から気になっていた「三菱一号館」のカフェを選びました。父は「小津安二郎がこよなく愛した京橋の洋食屋『モルチェ』がいい」と言ったけど、こんな暑い日に昼間っから昭和臭ただようオヤジの洋食屋でもないでしょ、と却下。ごめんね
 
イメージ 2
 
 現在では美術館も入った複合施設となったこのビル、明治期のお雇い外国人建築家ジョサイア・コンドルの設計により明治27年(1894年)に竣工し、昭和43年(1968年)に解体された「三菱一号館」を復元したレプリカです。オリジナルでは三菱銀行の営業室として使われていた1階部分を、現在ではカフェとして営業しています。
 明治期の銀行建築はかなりの数が解体の憂き目にあっていて、この三菱一号館のように復元や移築した建物を一般公開したり、おしゃれなカフェやレストランとして利用するようになったのは、近年のことです。それくらい、文化財としての近代建築は正当な評価を受けてこなかったともいえます。
 
 この日は展示入替で美術館はお休みでしたが、カフェは独立して23時まで営業しています。ここのランチはなかなか評判がいいので、11時のオープンと同時に一番乗りで入ったのですが、すぐに他のテーブルも埋まるほどの人気。
 
 
イメージ 3
 
 明治期のオフィスビルは天井が非常に高くとってあり、当時の照明はガス灯のため、銀行の営業室としては実務に支障が出たのでは?という気もするのですが、コンドルは窓を壁面いっぱいに開けることで自然の採光をはかったそうです。
 
 
イメージ 4
 
 ガス灯のレプリカ。もちろん現在は電球です。
 明治19年1886年)には日本初の電力会社・東京電燈が営業を開始し、澁澤栄一や大倉喜八郎ら財界人によって、茅場町に火力発電所ができたことで、兜町や丸の内のオフィス街に電燈がともり、夜更けまで執務時間が延びたといわれます。
しかし、三菱一号館が竣工した明治27年(1894年)には日清戦争が始まり、電力不足が深刻化したので、コンドルは意図していなかったでしょうが、当時はエコなビルだったのかもしれません。
 
 
イメージ 5
 
 さて、お待ちかねのローストビーフのランチセット。オードブルは白身魚のマリネ、スモークドサーモンを載せたバゲットにコーンポタージュ。
 父がグラスワインを飲もうと言い出し、昼間からきりりと冷えた口あたりのいい白ワインを、二人とも2杯ずつ空けてしまいました(笑)。
 
 
イメージ 6
 
 メインディッシュ、ローストビーフのマッシュポテト添え。お肉がやわらかくて食べごたえはあるものの胃もたれしない、バランスのとれたセットでした。客層はほとんどが女性ですが、男性にも満足できるボリュームではないかと思います。
 
  ああ、天井の高いカフェがオリジナルだったらね~。いくら忠実に復元しているといっても、なんだか書割みたいに薄っぺらいね。
 それより、そろそろブリヂストンに行かない?あそこはエジプトの猫がいるよね。
・・・ということで、やまねこ親子はお店を出て、八重洲側のブリヂストン美術館へ向かったのでした。(続く)