PLUTO(浦沢直樹)

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彼(浦沢)の話が長いのは、「MONSTER」で懲りていたはずなのです。

どうせ読むなら、連載終了後のオトナ買い一気読みがいいだろうとは
よーーーーっくわかっていたのです。

それなのに。ブックオフで1巻を手に取った私がバカだった・・・。
11月発売の5巻は新刊書店で買う羽目になりそうです。

私自身はアトム世代じゃなくて、手塚作品といえば
ブラックジャック」「アドルフに告ぐ」「人間昆虫記」あたりの
青年コミックをもっぱら読んでいたクチです(かなり渋い趣味)。
なので、原作?の「地上最大のロボット」は読んでません。

それでも、特に「アトム」を意識しなくても
一つの独立した作品として読めるだけのコミックだと思います。
話のテンションがなかなか上がらないという批判もあるみたいだけど、
サスペンス映画にあるようなズーム&引きのテクニックはさすが。
登場人物の視点にシンクロして、シーンごとに立ち会っているかのような
カットが心にくい。

1巻での「いかにもロボットらしい」ノース2号のエピソードは、
アマゾンでのレビューを見る限り、かなり評価されてますね。
(あれで泣いた、という人がとても多いようです)
その一方で、ゲジヒトたち人間型ロボットが悪夢を見たり葛藤する話は、
「登場人物自らがロボットだと名乗らない限りわからない」のが、
一部批判の対象になっているのが興味深いところです。

私は、
「見た目も感情生活もほとんど人間と変わらない」
「完璧なロボットとは?」
というロボットのアイデンティティー問題こそが、
この作品の軸ではないかと思っているので、
読者からの「これじゃほとんど人間じゃないの?」という
反応・違和感こそが作者の意図する仕掛けなんじゃないか?
という気がするのです。

連載はいよいよ佳境のようですが、中途半端に掲載誌を追わず
11月までおとなしくガマンしようと思います。