5月五雲会
勅令で退治される酒天童子は、朝廷への反逆者の比喩かと思っていました。
ちょうどいま読んでいる「西行花伝」でも、
保元の乱で謀反人に仕立て上げられた崇徳院側の公家や武士が
大江山で大勢斬首された、というくだりがあったので。
でもどうやら、鉱山であった大江山を巡る利権争いが背景にあるらしいですね。
ちょうどいま読んでいる「西行花伝」でも、
保元の乱で謀反人に仕立て上げられた崇徳院側の公家や武士が
大江山で大勢斬首された、というくだりがあったので。
でもどうやら、鉱山であった大江山を巡る利権争いが背景にあるらしいですね。
前シテの面は、枕慈童の妖艶なそれとは違う、あどけない少年の顔で
プレデター・酒天童子にとっては、人間をとって喰うのは生きる営み、
悪意のない食物連鎖にすぎないのだと思えてきます。
頼光をすっかり信用して楽しげに舞う、無垢で美しい生き物。
後場の鬼の姿も、血のように朱い髪と装束は恐ろしいというより哀れな感じでした。
自然のままの、無垢な姿であるがゆえに、他者と共存できない哀しさ。
プレデター・酒天童子にとっては、人間をとって喰うのは生きる営み、
悪意のない食物連鎖にすぎないのだと思えてきます。
頼光をすっかり信用して楽しげに舞う、無垢で美しい生き物。
後場の鬼の姿も、血のように朱い髪と装束は恐ろしいというより哀れな感じでした。
自然のままの、無垢な姿であるがゆえに、他者と共存できない哀しさ。