京都・金沢旅行記 金沢篇①

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京都駅からサンダーバードに乗り込んだものの、地球防衛のお仕事が忙しくて、しばらくぶりの更新です。

金沢で必ず立ち寄る場所のひとつが、金沢21世紀美術館
金沢で能と現代アートに出会うことがなかったら、このブログの内容もかなり違っていたはず、
というくらい21美は好きな美術館です。展示観て、ショップのぞいて、外の芝生を歩き回ったりタレルの部屋で日光浴をして、ライブラリーで本なんか読んでいたら、あっというまに3時間くらいたってしまいます。
旅の企画を立てた時点でHPを観たら27日が年内最終開館日というので、26日の晩に金沢入りし、21美は年内ギリギリの鑑賞となりました。
余談ですが、金沢の観光スポットは公立の施設がほとんどで、それに付随する東茶屋街あたりのお店も翌28日には年内営業終了しているところが多いので、年末年始に金沢に行かれる方は、その点も考慮した方がいいかと思います。

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さて、今回の大型企画展は
「オラファー・エリアソン あなたが出会うとき」「コレクション展 shift-揺らぎの場」
エリアソンは去年の春、森美術館「万華鏡の視覚」で観ています。光、水、色、鏡などを使い、人間が眼に見える現象を認識する一方で、その認識がどのように形成されるかの過程を探求する、ベルリン在住の若手アーティストです。
森美では1点のみの展示だったけれど、今回は21美のスペースを大胆に使った大型インスタレーションで、めまいがしてくるような不思議な作品が多かったです。丸い展示室14の「水を彩るあなたの水平線」は、真っ暗な室内に大きな円形プールがあって、壁に虹色のライトがあたっている・・・というもので、まるで母胎に戻ったような感覚をおぼえる作品です。円形の展示室に沿って、プールの周りを歩いていたら軽い目まいのような浮遊感が。係の人がこっちをじっと見ていたから、実際ふらふらしていたのかも(^_^;A

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見どころは、「あなたが創り出す空気の色地図」
展示室を赤、青、黄の色の三原色をベースにしたさまざまな色のライトで照らし出し、ミストで充満させた作品で、分厚いカバーをくぐって部屋に入ると、色の霧に包まれるのです。2,3メートル先の人が見えないくらい濃度の高い、色の霧のなかをさまようのはクラゲになったようで面白かった。ちっこいコが興奮して走り回っています。この展示室の地下はレアンドロのプールに通じているのだけど、プールの入口にまでミストが流れ込んでいました。
「水平線」にしろ「空気の色地図」にしろ、エリアソンの作品は視覚を通して人間の原初的な感覚にダイレクトに訴えてくるようで、こういう作品は21美のようにフレキシブルな展示スペースではじめて活きるのだと思います。子どもの反応が面白かったですね。とにかく展示室のなかを目いっぱい動き回って、自分の影の遠近をいろいろ創り出そうとしていました。

コレクション展で一番印象に残ったのは、須田悦弘の「バラ」「雑草」「葉」
本物と見紛うほど精巧な木彫りのバラや雑草、枯葉を中庭の展示スペースにさりげなく配置してあるので、最初そこに作品があるのがわかりませんでした。コンクリートの溝から青い雑草が生えているのが本当にリアル。鑑賞者は「見つける」という能動的な行動によってか、たまたま目にするという偶然性によって作品と出会うのだそうです。いいな~そのコンセプト。
後日、知り合いの専門家にお聞きしたところでは、あまりのリアルさに学芸員もその「雑草」を取ってしまったのだそうです(笑)

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美術館のまあるい外壁に沿って芝生をお散歩。
21美の周りには数日前まで降っていた雪が残っていて、ベンチに座るのはあきらめました。

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21美おなじみの らっぱ。
子どもが金属の管によじのぼって中を覗き込んでいるのをよく見かけます。
雪の季節の21美は、ガラスの壁面を生かした白い丸い建物が鉛色の空と雪に溶けあって、
とてもキレイです。