五月の雨
写真は父の書棚。
もともと父が辻邦生ファンなんですが、長大な作品が多いので敬遠してました。
最近になってエッセイや短編を読み始め、先日 能「西行桜」を観たということもあって
「西行花伝」に手を伸ばしてみたのですが、これがなかなか面白いです。
構成のしっかりした、美しい音楽を聴いているような小説で すいすい読める。
ちょうど、西行の「宿命の恋」の相手・待賢門院(鳥羽上皇の中宮)が出家したところ。
もともと父が辻邦生ファンなんですが、長大な作品が多いので敬遠してました。
最近になってエッセイや短編を読み始め、先日 能「西行桜」を観たということもあって
「西行花伝」に手を伸ばしてみたのですが、これがなかなか面白いです。
構成のしっかりした、美しい音楽を聴いているような小説で すいすい読める。
ちょうど、西行の「宿命の恋」の相手・待賢門院(鳥羽上皇の中宮)が出家したところ。
読みかけでこんなこと書くのはなんですが。
辻さんて「この世では絶対成就しない恋」のパターンが好きらしい。
小説では、西行は北面の武士だった若い日、女院と宿命的に出会い、
弓張の月の掛かる、夏の短夜にただ一度の逢瀬をはたします。
その最初で最後の夜に「この世ではもう二度と会わない」と約束して別れるんですね。
会わなくても魂がひとつである、とお互いに信じあえる関係、と書いてますけど。
弓張の月の掛かる、夏の短夜にただ一度の逢瀬をはたします。
その最初で最後の夜に「この世ではもう二度と会わない」と約束して別れるんですね。
会わなくても魂がひとつである、とお互いに信じあえる関係、と書いてますけど。
「互いに恋し合い惹かれ合っていても、決して動くことのできぬ場合がある。それでも花は咲き、花は散る。動けぬからといって、恋の花を咲かせてはならぬということではない。咲かぬということもない。だが、その花が虚しく散るのを、追っていって抱きしめることはない。花が散る夕べを哀れ寂しと思うことで、花の盛りがあったことを祝福しているのだ。」(七の帖)
確かに美しい恋のありようです。でも現実にはしんどそう~。
そんなに好きなら会いに行けばいいのに~と思う私は(無粋な)現代人。
そんなに好きなら会いに行けばいいのに~と思う私は(無粋な)現代人。
(こんなこと書いてる間に先に進まんかい、という気もする・・・)